■改善措置の内容
① 全車両、ドライブプーリーの固定ナットを良品に交換するとともに、ロックワッシャーを対策品に交換して、ナットを新しく設定した締付けトルクで締め付ける。なお、ドライブプーリーが損傷している場合は、ドライブプーリーも良品に交換する。
② 全車両、サイドスタンドを固定する下側のスクリュをネジロック剤を塗布した対策品に交換し、新しく設定した締付けトルクで締める。さらに上側のスクリュはネジロック剤を塗布したうえで適切に締め付ける。なお、サイドスタンド及び配線が損傷している場合は、良品と交換する。
■基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
① 動力伝達装置において、ドライブプーリーを固定するナットの締付トルクの設定値が不適切なため、走行中、駆動ベルトから受ける力でナットが緩むことがある。そのため、プーリーがガタつき、そのままの状態で使用を続けると、プーリーのスプライン部が摩耗し、最悪の場合、後輪へ動力を伝えられなくなるおそれがある。
② サイドスタンドを固定するスクリュの締付トルクの設定値が不適切なため、走行時の振動等によってスクリュが緩むことがある。そのため、駐車中、サイドスタンドに過大な負荷がかかって破損して、車両が転倒するおそれがある。また、スクリュが脱落すると走行中にサイドスタンドスイッチの配線が引っ張られて損傷し、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。