■改善措置の内容
① 全車両、インジェクタ取付ナットを増し締めする。また、油圧を点検し、油圧に異常が確認された場合は、エンジン内部を洗浄し、オイルストレーナとエンジンオイルを交換する。
② 全車両、燃料リターンホースを改良品と交換する。
③ 全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正する。
④ 全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正する。
⑤ 全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正する。
■基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
① ディーゼルエンジンにおいて、インジェクタ取付ナットの締結力が不適切なため、インジェクタガスケットの面圧が低下することがある。そのため、燃焼ガスがシリンダーヘッドに吹き抜け、エンジンオイルが炭化し、炭化したエンジンオイルがオイルストレーナを詰まらせ、油圧低下により警告灯が点灯し、そのまま使用を続けると、エンジンが焼き付き、最悪の場合、エンストに至るおそれがある。
② ディーゼルエンジンにおいて、整備作業時の燃料リターンホースの取扱いが不明確なため、当該ホースに係わる作業時に交換されなかった場合、ホース取付部のシール性低下やホース内部に亀裂が入ることがある。そのため、そのまま使用を続けると、ホース取付部や亀裂部から燃料が漏れるおそれがある。
③ ディーゼルエンジンにおいて、減速時のエンジン制御が不適切なため、気筒内圧力が低下し、吸気バルブの閉じ力が低くなることがある。そのため、吸気バルブとバルブシート間に煤が挟まり圧縮不良となって、エンジン回転が不安定になるほか、最悪の場合、エンストに至るおそれがある。